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リロケーションダメージ ≪施設長 樋口≫


「老人ホームに入ったら認知症が進んだ」
という話を聞いたことがありますか?
「あそこに入ると認知症が悪化するよ」
という噂話を聞いたことがある方もいるでしょうか。
今回は原因の一つを書いてみたいと思います。
認知症の方にとって住環境は自身の認知機能を保持するのに大きな役割を持っています。
昔からいる土地、昔から住んでる家、いつもの部屋、いつもの窓から入る光、いつものテーブル、いつもの布団…。いつもと同じ環境が認知症の人の見当識(時間や場所、人物の認識)を支えています。
これを一気に変えてしまうのが老人ホームへの入居、いわゆる引っ越しです。
いつもと違う環境におかれると誰でもストレスを感じます。このストレスにより心や体に不調がでる事をリロケーションダメージといいます。(リロケーションは引っ越しの事)
いつもと違う景色、ずーっと住んでた家と違う住環境、知らない人、なんで老人ホームに来たのかわからない人もいるでしょう。私たちが思っているより認知症の方にとってその混乱は大きく、このリロケーションダメージにより認知症が急激に悪化する場合があるのです。
ただ、認知症の方だけがダメージを負うわけではなく、若い世代でも同じように引っ越しや転職などのリロケーションでストレスを感じます。なんとなく憂鬱になったり、身体に不調がでたり、ホームシックや最悪の場合部屋に引きこもってしまう事もあります。
つまり、老人ホームへの入所(リロケーション)そのものが認知症の方にとって悪影響になる可能性があり、それはどんなに高価で立派な老人ホームに入居しようとも変わりません。
ちなみに在宅介護でも同じようなことが起きます。
「母が認知症で、介護をするために自分の家に呼んで同居を始めた」
このような引っ越しもリロケーションダメージとなる場合があるのです。もちろん病院への入院も同様です。またリフォームや散らかった部屋の片づけで混乱する人もいます。
リロケーションダメージは高齢者や認知症の方のようなすぐに状況に適応できない人に顕著に表れやすいと言われています。近年は自宅で使っていた家具の持ち込みを推奨したり、自宅の部屋を可能な限り再現してリロケーションダメージを最小限に抑えている施設もあるようです。
冒頭の裏話のような噂にもちゃんと原因があり、老人ホーム側も結構頭を抱えて悩んでいるのです。

と、老人ホームの人間が書いてしまうと言い訳のように聞こえるリロケーションダメージの話なんですが、結局のところリロケーションダメージを上回る心地よさを私たちが提供できるか、にかかっているのです。

-施設長ブログ

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