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お年寄りはカワイイ? ≪施設長 樋口≫

背中も丸まり、若い頃より一回りも二回りも小さくなって

頬のお肉も垂れたりしてかわいらしいお年寄りいますよね。

自分もできれば誰からも愛されるかわいらしいお年寄りになりたいと願っています。(身長が大きいから実際は無理だろうけど)

テレビでもインタビューなどでお年寄りが出てくると、

若いタレントさんが「カワイイ!」なんて声を上げたりする姿をみます。

基本的に私は高齢者を「カワイイ」とは思わないのですが、

「なぜお年寄りはカワイイのか」を考えてみます。

私がお年寄りをカワイイと思わないと言うのは、

私より長生きをして、多くの経験をしてきた、人生の先輩だからです。

戦争であったり、現代人より激務の仕事をしてきた先輩をかわいいとはなかなか思えません。

とは、言ってますが、身体が小さくて目がキラキラしているお婆さんを見ると、

いかんとは思いつつ「かわいらしい」と思ってしまうことも…(←矛盾)

では、なぜお年寄りはかわいくなるのでしょう。

歳を重ねて厳格さや威厳、高貴な印象が増した方が良いような気もしますが。

これは人間が一番かわいい時期はいつか?から考えることが出来ます。

人間が一番可愛い時期、それは、乳児期つまり「赤ちゃん」の時です。

赤ちゃんの時は一人では生きていけません。

誰かの助けが必要になります。守ってもらわなければならないのです。

特に赤ちゃんが可愛くなるのは、生後11か月頃と言われています。

数歩歩くか歩けないかくらいの時期です。

行動範囲や生活する姿勢が変わり、同時にそれに伴う危険も変化する頃です。

一番目が離せない時期に一番可愛くなるようにできているんですね。

お年寄りも同じように考えられます。

誰かの助けが必要で、誰かが守ってくれないと生きていけない、

そして、外敵から抗うすべがないからかわいらしくなっていくと言えます。

逆に自立して生きられる高齢者はかわいくなる必要がない為、

経験に裏打ちされた威厳さや高貴な印象が増していきます。

この文を読んでいる介護未経験の方は少し分からないかもしれませんが、

いつかお年寄りをカワイイと思ったときに思い出してください。

さぁ、世の介護職員、自分の姿や印象まで変えて助けを必要としている方を「カワイイ」で終わらせてはいけませんよ。

私たちは人生の終盤を支えるプロなんですから。