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日常 ≪施設長 樋口≫

以前からとある入居者にお会いするたびに「中庭の草むしりがしたい」と言われていた為、時間を作って二人で草むしりをしました。
その方は車いすを使っている方なので、草をむしる時に前かがみになるんですね。ただ前かがみになるだけじゃ地面に手が届かないので車いすに浅く座って前かがみになるんです。(介護従事者ならどれだけ危ない体勢かわかると思いますが)
ブレーキもかけずにブチブチと草を抜いていくもんだから、一緒にいる私としては車いすから落ちないかと気が気じゃないわけですよ。そんな事その人は知る由もないから「施設長!もうちょっと手際よくやって下さいよ!」と怒るんです(笑)「わかってるんですけど落ちないか心配なんです」というと「落ちゃあせんよ!」とまた怒られるんです(笑)
私がちょっと虫を見つけて「この虫は見たことないなぁ」なんて言おうものなら「子供やないんやからムシムシ言わんとやって下さい!」と怒られ、「蜘蛛の巣があるなぁ」といえば「蜘蛛の巣ぐらいで何言ってるんですか!」と怒られ。ずっと怒られながら二人で草をむしって、後片付けして、その人が言うんです、「久しぶりに草むしりした」って笑顔で。こんなめんどくさくて、誰もやりたがらなくて、でも昔はどの家でも当たり前にやっていた事が施設に入ると「非日常」になってしまうんだなぁと少し申し訳ない気持ちになりました。
この施設はもっと良くならなければならないと思うと共に、もっと今よりもいい生活が提供できるとも思いました。私も心花春にきて1年になります、やらなければいけないことはたくさん。頑張ります。

そのあと「施設長はムシムシってムシばっか」と他の入居者との話のネタにされてました。