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高齢者と電子マネー ≪施設長 樋口≫

私は認知症の人が増えたというより、認知症の人が生きづらい世の中のシステムになっているんじゃないかと考えていた。
例えばスーパーなどで最近見かけるセルフレジ。
実は私もまだ使ったことがない。(「うまくできなかったらどうしよう」とビビっているだけなのだが(笑))
高齢者にはあのセルフレジを脅威に感じる人もいるだろう。
他にもスマホやパソコン、それらと連動する家具家電など。
それらには若い人でも読み切れないような説明書がついていたりする。
「詳しくはWEBで」なんてとんでもない。

タイトルの電子マネーもその一つだと思い込んでいた。
身近なものではSuicaやnanaco、WAONなど。
私も電車に乗る時に使うが、改札をサッと通れるものくらいにしか思ってなかった。
実はこの電子マネー、高齢者こそ使うべきなのだ。
電車は前述のとおり改札をすぐに通れ、切符を調べて買う必要がない。
それよりも買い物にこそ本領を発揮する。
買い物は欲しいものをカゴに入れるまでは簡単だが、支払いはそうはいかない。
レジで金額を伝えられ、自分の財布の中を確認し、適切な金額の紙幣と硬貨を用意する。
認知症になるとこれが上手くできなくなる。
その為、レジではすぐに紙幣をだし、財布には小銭が多くなる。
(ただ面倒くさくて紙幣を出す人もいるかも知れないが)
電子マネーであれば小銭の用意や計算をする必要がないのでスムーズに買い物が出来る。
レジで後ろに並んでいる人や店員さんの目を気にすることもない。
電子マネーではあるが、お金がチャージされていなければ使えない。クレジット機能や自動チャージなどの機能を付けなければ無駄遣い防止にもなる。
もっと高齢者に勧めた方がいいのに、なんて考えていたら、
すでにシニア用のnanacoもあるそう。
(あぁ、そういえば私の母もスーパーの買い物は電子マネーだったな。)
まだ使ったことがない人は、最初は面倒かもしれないがチャレンジをおススメしたい。
あなたが認知症になった時、家族も自分も安心して買い物ができるように。