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専門用語 ≪施設長 樋口≫

今日は介護施設や医療施設でよく使う専門用語について。
生活の記録や職員同士の会話の中、テレビの特集なんかにもよく出てくる
「徘徊」「昼夜逆転」「不穏言動」「帰宅願望」などの熟語です。
医療職や介護職は熟語をよく使います。
どんなに離れた地域にある施設でも同じ言葉を使っています。
業界用語とでも言うのでしょうか。
介護のテキストや用語集に書かれていることもあります。
(不穏はあんまり市販の本で見た事ないかな)
これら専門用語を使うメリットとしては、
・忙しい中、行動を全て言わなくても職員同士伝わる。
・記録を短く済ませることが出来る。
・何となく専門職っぽい。
ということが挙げられます。
しかしこれは同時に誤解を生むようになりました。
前述の専門用語を「症状」として捉えるようになり
「家に帰りたいと話す」という当たり前の言葉を「帰宅願望」と
認知症の症状のように使うようになったのです。
同じように、自分の居場所を確認するために歩けば徘徊
夜中々眠れず職員を呼べば昼夜逆転
怒って不機嫌になれば不穏
その熟語で表した「症状」を見ている、大変な思いをしている事を表す言葉になりました。

よっぽど家庭に問題があるか夫婦喧嘩でもしない限り、日が傾いてくれば家に帰りたくなるもんです。
気になる事があって夜眠れなかった、その次の日は誰でも眠いんです。
気に入らない事があれば不機嫌にもなるし怒るんです。私は妻に「あなた不穏だよ」なんて言われません。
この専門用語が介護職をダメにしている気がするんですよねぇ。
医療の真似事じゃない、介護職だからこそできることを妨げている気がする。
認知症の症状が進行していることを医療や介護の現場で「認知が進む」って言うのも腑に落ちない。「症」くらい言いなよって。
私がひねくれてるのかなぁ。