すぐ危ないって言う ≪施設長 樋口≫
犬を飼う前の私「ペットはあくまでペットで家族ではない」
保護犬を引き取った私「かわいいでちゅねぇ、おとうたんといっちょに寝ましょうねぇ」
どうも樋口です。人は変わるものです。
これは去年施設内にはってあったポスターですね。
介護施設で働いている皆さん、ポスターみたいに何かあるとすぐに「危ない!」って言ってません?
皆さんはショッピングモールで歩いてて、知らない人が猛ダッシュで「危ない!」って叫んで走ってきたらどうします?
私だったら慌てて周囲を見渡すかな。
身を守るためにしゃがむ人もいるでしょう。
伏せる人もいるでしょう。
逃げる人もいるかも知れませんね。
よろよろと立ち上がった高齢者、響き渡る「危ない!」という声。
よろよろと立ち上がった高齢者が慌てて周囲をキョロキョロしたらもっと危ないでしょ?
「危ない!」って言われたからしゃがんだらもっと危ないでしょ?
伏せたら転ぶでしょ?
逃げたらもっと転ぶでしょ?
周りの人もびっくりするし、言われた本人の自尊心も傷つける言葉。
車いすから立ち上がった高齢者に「危ない!」と大声を張り上げて駆け付ける行為が「危ない」んですよ。
恐怖を感じた時や危険な時に大声を張り上げる理由は、「ストレスの緩和」「祖先の猿の名残で危険を周囲に知らせる為」など諸説ありますが、猿じゃないし職場ではうるさいのでやめましょう。
介護職の理想は「空気」であること。行動や選択の主体性は利用者にあり、必要な時にスッと現れて必要な助けをするのが理想の介護です。
「危ないから座ってて」も、高齢者は用もないのに立ち上がったりしませんし、別に危ない事をしようなんて思ってないので、「どうしました?」や「どちらへ行かれますか?」と尋ねるのが基本です。
「危ない!」と「どちらへ行かれますか?」、どっちが接客業としてスマートですかね。
まぁ、「スマートに仕事したくない」「猿のように叫びたい」なら話は別なんですけど。