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ちょっと怒りっぽいおじいさんと私 ≪施設長 樋口≫

お爺さん「お雛様が出てるじゃねえか。もう3月かよ」

樋口  「お雛様にはまだ早いけど、もうすぐなので職員ががんばって飾りました」

お爺さん「昔家におばあさんのお雛様と、姉ちゃんのお雛様があって、これより立派だったんだよ」

樋口  「これよりも大きかったんですか、立派ですね」

お爺さん「そうだよ、お雛様には思い出がいっぱいあるんだ」

樋口  「どんな思い出があるんですか?」

お爺さん「いっぱいあるさ、これよりももっと立派なお雛様だったんだ」

樋口  「これよりも立派だったんですね」

お爺さん「なんせおばあさんのお雛様と、お姉ちゃんのお雛様があったからなぁ」

樋口  「じゃあ思い出もいっぱいですね」

お爺さん「思い出がいっぱいあるよ、なんせおばあさんのお雛様とお姉ちゃんのお雛様があったから」

樋口  「二人ぶんだとずいぶん立派なお雛様ですね」

お爺さん「そう、これよりもりっぱなお雛様だったんだ」

樋口 「そろそろおやつの用意ができる時間ですけど戻りますか?」

お爺さん「ありがとう、いっぱい話ができてよかった」

 

ね、介護っていいでしょ。