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バイトシフトと娘と私 ≪施設長 樋口≫

先日、バイトを始めた娘が「シフトが前日に変わるなんてことある?」とバイト先の不満を口にしてきました。正直、コロナだインフルエンザだって言っている昨今、シフトが急に変わることもあろうとは思います。なので、「あるよ」と答えました。言われた娘はちょっと腑に落ちないような表情をしていましたので、ここで樋口ワールド全開です。

「働くってことはさ…」とお説教が始まるわけですよ。

で、娘はそんなことを聞きたいわけではないのはわかってます。

ホント、これが大人の悪いところです。

娘はきっと、自分より人生経験が長い親なら親身になってくれると思ったことでしょう。

実際、親の私の方が経験があるのは当たり前、バイトもしてきた、だから「近道」も「遠回り」も教えられるはず。なのに、「答え」を教えようとしてしまう。

でも子供だって答えはもうとっくにわかってるんですよね。

だから毎回言われるんですよ、「わかってるよ!」と。

子供は、一度親が通ってきた道をもう一度歩んでほしいんです。今自分が尻込みしている壁を一緒に上ってほしいんです。

なのに大人の私は壁の向こう側から「早くこっち来いよ」と言う。「なんで乗り越えられないのか」を説く。

答えやゴールを知っているから。

子供が求めているのはいつも「ゴール」ではなく「道」。

大人のあるべき姿はゴールから「早くこっちにこい」と手招きをするのではなく共に歩く事なんでしょう。

娘にシフト変更は「あるよ」という話をし、ひとしきり「働くってことは…」の演説を終えた頃、すでに社会人の長男が「まぁなんでも我慢して続けないとな。俺も学生時代バイトしてた時、上司と仲良くなってからは自分の都合がいいように急にシフト変えてもらったもんなぁ」と。

うん、お前みたいなやつがいるから急にシフトが変わるんだぞ