医療や福祉は何故タメ口? ≪施設長 樋口≫
介護の職場に限らず、病院や障害者施設でも
利用者や患者に対して職員がタメ口で話している事を見かける。
もうこの時代にタメ口を肯定的に捉え、
「親しみを込めて」なんて言う人もいないだろうが、
多くの現場ではまだまだタメ口を見かける。
介護という仕事は人生を支える接客業だ。
ファミレスのウェイトレスさんが
「こっち座って待っててー」
なんて言ったら「はぁ?」って思うだろうし、
コンビニのアルバイト高校生が
「会計580円、早く出して」
なんて言ったら文句の一つも言いたくなるだろう。
だが、それを福祉職と医療職はやっている。
「この方(タメ口)が伝わりやすい」
なんていう人もいるが、長い年月生きてきて敬語や丁寧語を
聞いたことがない高齢者はいない。
つまり伝わらないなんてことはない。
自分自身現場で介護をしていた時もタメ口の方が伝わりやすいなんて感じたことはない。
前述の「親しみを込めてタメ口を使っている」も
親しみは相手が「感じる」もので、こちらから「込める」ものじゃない。
そもそも認知症のお年寄りは多くの場合「初めまして」だ、
自分のことを必ず覚えていると勘違いしてはいけない。
「良く分からないけど、この人は自分のことを知っているようだから合わせておこう」
そう思っているお年寄りにタメ口で話しかけている介護職や医療職はただの失礼な人だ。
タメ口を使う理由(言い訳)はたくさんあるだろうが、
今まで聞いた中で的を射たものはなかった。
「親しみを込めて」は私には「馴れ馴れしさで自分の至らなさをごまかす為」と聞こえる。
介護の現場でも、病院など医療の現場でも、顧客に対してタメ口が無くなればいいなぁ。
いろいろ書いたけれど、顧客や年齢が上の人と話すとき
丁寧な言葉遣いをするのは社会人としてのマナーですよ。