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収集癖 ≪施設長 樋口≫

認知症のお年寄りの中にはパッと見、要らなそうなモノを集める方がいます。
世間では「収集癖」なんて言ったりするのですが、こういう人への対応で時々間違った対応をする人がいます。なんでかわからないのですが、ベテランの介護職員に多いと感覚的に思っています(あーベテランさんに怒られる(笑))
特にティッシュペーパーやペーパータオルを集める人は多く、棚やらタンスやら紙類でいっぱいにしている方はどの介護施設にもいると思います。で、間違った対応というのが「片づける」と言うことですね。
「今日は時間が出来たから大掃除しよう」
「お年寄りがいない間に全部回収しよう」
という発想です。まぁ片づけたくなるのは分かるんですが。
認知症のお年寄りはゴミを集めているわけではないので、絶対に捨ててはいけません。
自分が必要で貯めておいたトイレットペーパーが無くなったらお年寄りはどうするか。
すぐ分かりますね、またトイレットペーパーを集めるんです。
それをまた職員さんが片づけるんですね。それこそトイレットペーパーの無駄遣いです。職員がトイレットペーパーの無駄遣いをしているんです。
「でも、汚れてる紙もとってあるんです」というパターンもあります。
そういう時はそのお年寄りと一緒に片づけましょう。ただし、代わりのペーパーを用意しましょう。代わりの物を必ず用意して、交換をするのです。それだけであの捨てて取られてまた捨ててという不毛なやり取りが無くなります。
まとめると、集められた物を回収したり破棄したりせず、その中から衛生的に問題がありそうな物だけ清潔な代わりの物と交換する、ということです。
私の妻も、貯まりに貯まった釣り具を処分してほしいと思っているかもしれません。でもあれは私の宝物なのです。捨てたらまた買うのです。