忘れる ≪施設長 樋口≫
闇バイトやら少年の強盗やら、朝やお昼の情報番組で「犯罪が増えた」「日本もこんな国になったのか」「日本は安全じゃなくなった」とコメンテーターが口をそろえて不安を煽ってますがそんなことはありません。犯罪件数は2002年頃をピークに下がり続けここ数年は横ばいです。日本が安全じゃなくなったんじゃないよぅ、日本は素晴らしい国だよぅ、たぶん去年とか一昨年の事件を忘れてるだけだよぅ。こんにちは樋口です。
今日は「忘れる」ということについて。
「人は忘れる生き物」ということはミスチルのTomorrow never knowsという曲で馴染みがある方も多いのではないでしょうか。
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスの発表した「エビングハウスの忘却曲線」では、人は覚えたことを復習しなければ
20分後には42%忘れる
1時間後 には56%忘れる
1日後 には74%忘れる
1週間後 には77%忘れる
1か月後 には79%忘れる
と示されています。
(エビングハウスの忘却曲線のフリー素材がなかったので忘却曲線 – Wikipediaより引用)
「なんか最近忘れっぽいんだよね」
その通り、人は覚えた瞬間から忘れていきます。特に興味がない事はすぐに忘れます。
覚えた事を記憶に定着させるには復習するのが一番です。
嫌なことってずっと覚えてますよね。
仕事で怒られた、友達と喧嘩した、嫌なことがあるとそのことをずっと考えてしまいませんか?
あんな言い方しなくたって、そんなに怒らなくてもいいのに、何度も思い返し人は記憶を定着させます。これは復習です。
早く忘れたいはずなのに自分で復習して覚えさせているんです。
時に周囲の人間に愚痴って、また別の人にも愚痴って、他の人にも言って、自ら率先して復習する勉強熱心な方もいます。(←これは皮肉です)
ちなみに行き過ぎた愚痴や噂の流布はもう復習ではなく復讐という名のハラスメントです、自分はストレス解消のつもりかも知れませんが注意しましょう。
仕事でもプライベートでも失敗することはあります。
でもそれ、ずっと考えても時間は戻りません。
「あぁしてたら…」「こうしていれば…」なんてタラレバはいくら考えても解決しません。
「次はこうしよう」と1回だけ、失敗を乗り越えるシミュレーションをすれば充分です。それ以上考える必要はありません。
どうせ相手も1日たてば74%忘れるんですから。
「人は忘れる生き物」無意識に忘れるし無意識に覚えるからこそ、自分で意識して「覚えない」、っていうのも人生には結構大事なんです。