所作って知ってる? ≪施設長 樋口≫
もうすぐ七夕ですね。今年はすでに梅雨も明けている地域も多く、きれいな夜空で織姫と彦星が出会えそうな予感。
この織姫と彦星、恋人同士と思っている方が多いのですが、実は夫婦です。織姫のお父さんの紹介で織姫と彦星がお見合い結婚をしたのですが、結婚後は二人ともろくに働かず毎日いちゃこらしてるもんだからお父さんが怒って天の川を境に二人を離したのです。
で、そしたら今度は離れたのが悲しくって更に働かないもんだから1年に1回だけ、会えるようにしたっていうのが織姫と彦星の話。
どっちみち働かねぇ夫婦のロマンチックな話でした。
さて、タイトルの所作ですが、
「しょさ」と読みます。振る舞いやしぐさのことです。
おそらく、あまり意識したことがない人もいるのではないでしょうか。
でも、この「所作」。
ほんの少し気をつけるだけで、他人からの評価や印象が大きく変わります。
たとえば、タクシーなど他人が運転する車に乗ったとき。
「姿勢よく両手でハンドルを持っているドライバー」と「片手運転のドライバー」、どちらの方が丁寧な印象を与えるでしょうか?
やっているのはどちらも「運転」なのに、受ける印象はまったく違いますよね。
介護の現場でも同じです。
利用者と目線を合わせて行う食事介助と、足を組みながらやる食事介助、やっている行為は同じでも、見ている人の印象は大きく異なります。
これらの所作は、特別な知識や技術がなくてもできます。
ちょっと所作がきれいなだけで、お客さんや周囲からの評価が変わるのです。
飲食店でも、レジの店員さんでも、介護職でも、サービス業で人気があったり「やっぱりプロだな」と思わせる人の共通点は「所作がきれい」であること。
逆に、どれだけ知識やスキルがあっても、所作がきったねぇと好感を持たれず、時にはクレームの対象にもなってしまいます。
では、どうすれば所作が良くなるのでしょうか。
答えはシンプル。「すべてを丁寧にやること」です。
これを面倒に感じて、馴れ馴れしさやフランクさでごまかそうとする人もいますが、それでは所作の美しさは身につきません。
車いすの動かし方、ブレーキの外し方、立ち振る舞い――
どれも少し意識を変えるだけで、「プロっぽさ」が自然と出てきます。
しかも、タダで、時間もかからず、訓練もいらない。
たった一つ、「丁寧にやる」と意識するだけ。
やらない理由はないですね。
できるか、できないか、じゃないですよ。
あなたが、やるか、やらないか、だけ。