施設での高齢者虐待 ≪施設長 樋口≫
最近のニュースは宗教関係と北朝鮮からのミサイルがホットな話題なんですかね。国葬の話題もまだやってるのかな。利用者からも「今日家族が国葬行ってるのよ」なんて話もありました。私は国葬当日デイサービスで仕事をしていてさすがに目をつむるわけにもいかず心の中で黙祷。国葬の実施に反対する人たちも多かったようですね。反対意見があるのはわかりますが、「式の邪魔をしよう」「黙祷の邪魔をしよう」という人たちもいたみたいで、それがどうにも理解ができず、自分とは違う世界線で生きているのだと思うようにしました樋口です。
そんなニュースに埋もれる形で障害者施設や高齢者施設での虐待のニュースもありました。職員の多くが虐待に関わっていたケースもあったようで驚きました。
そのニュースのコメント欄などで、今現在福祉の仕事をしている人たちから「給料が安いから仕方ない」「待遇が悪いから仕方ない」というコメントが多くあり、さらに驚きました。
まず、「給料、待遇が悪いから虐待は仕方ない」はほぼ嘘です。
根拠として、「同じ待遇でも虐待をしない人はしない」「高所得者も犯罪を犯す」から。
じゃあなぜ「ほぼ」かというと、実際「待遇の改善はした方がいい」から。
お給料云々は厚生労働省が出している令和2年賃金構造基本統計調査の概況をご自身でご覧になって自分のお給料と比較して、自分で判断してください。
福祉の仕事をしている方たちの待遇改善は必要です。そうしなければ人手不足は解消されないでしょう。人手不足を解消すれば「給料が安いから虐待もしょうがない」なんて言っている人を雇わなくて済む施設も増えます。
そう、コメント欄などで「給料が安いから虐待してもしょうがない」「待遇が悪いから弱いものいじめをしてもいい」と本気で言えちゃう人は多分他の仕事をした方がいいんです。虐待なんかありません、それは傷害罪や暴行罪という犯罪なんですから。犯罪者になる前にやめておいた方が自分の未来の為です。待遇をよくしたいのはそういった方の為ではないのです。国は一刻も早く「虐待もしょうがない」なんて言えちゃう人を雇わなくていいように待遇を改善しなければいけません。
前述していますが、「同じ待遇でも虐待をしない人はしない」んです。弱い者いじめをしないんです。「待遇が悪いから虐待もやむなし」という人はその人と自分の違いを考えてみましょう。
で、こういうことを言うと「理想と現実は違うんだ」っていう人もいます。
昔働いていた病院でいつもイライラしていた言葉づかいの悪い年配ヘルパーさんにそう言われた時「理想の介護ってなんですか?」って聞いたら「患者さんとゆっくり話をしたり…」というようなことを言われました。
なんでいつもイライラしてる言葉づかいが悪い職員とゆっくり話さなきゃならんのだ。
その理想は誰の理想なんだ。理想の勉強した?
理想を追うのも追わないのも、現実で我慢するのも我慢しないのも自分。
イライラは止められないけど、それを表出するかどうかは自分で決められる。
だって健常者にはその態度しないでしょ?
話は戻って待遇の改善ですが個人の待遇改善ももちろんですが、施設に入る介護報酬の改善の方が私は重要だと思っています。
①「いくらか賃金が上がるが今の労働量」
②「賃金は上がらないが毎日働く職員が増えて仕事が楽になる」
どっちのほうが虐待が減りますかね。私は絶対②だと思います。
皆さんはどっちがいいですかね。
そりゃもちろん両方ですよね。