週末の運動 ≪施設長 樋口≫
最近新型コロナに関連したことばかりしか書いていない気がするので、久しぶりの何もない休日だった先週末の事でも。
この何か月かは新型コロナのせいで趣味のフットサルもできず、「発散できないストレスは脂肪に変わるのだ」などと変な悟りを開いていた。
このままではいけないので、運動をしようと思い立ち、ウォーキングを敢行。
家を出て、坂を下り、最初の階段で膝が痛くなり、長い下り坂でさらに痛くなった。
家族にも「運動してくる」と家を出た手前すぐに帰る訳にもいかず、一人痛みに耐えながら歩く。スタート早々思ったより苦行だ。
30分程歩き、足の指と踵が痛い。たまにしか履かない靴で靴擦れをおこした。
1時間ほどで足の裏が痛くなってきた。マメだ。しかも両足。母指球がイッた。
痛みに耐えながら歩く。わりと山の中を歩いたので虫がすごい。
顔付近をいつまでもコバエが飛んでいる。呼吸のタイミング次第では吸い込んでしまいそうだ。
そして聞こえてきた聞き慣れない大きな音。ドローンの語源とも言われるあの音だ。
どうもスズメバチさん。
興味はないよ、害はないよ、と心で話しかけながらその場を通り過ぎる。
付いてくる。怖い。しつこい。
人間様の陸上の機動力を見せてやる、と痛む膝、靴擦れ、マメにむち打ち走る。
数十メートル走るとすぐに振り切れた。と同時に「運動する」という私の気持ちも切れた。
スマホを取り出し家に電話をする。
「迎えに来てほしい」
私の週末の運動は終わった。
これから長い付き合いになるだろうから、予防はした上でたまには新型コロナを忘れられる事をしたほうがいい。
ウイルスに感染する前に心が病気になってしまっては元も子もないから。