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理想と現実は違う ≪施設長 樋口≫

私が営業のサラリーマンをしていた時も、

介護の仕事を始めて間もないころにも先輩に言われた言葉

「理想と現実は違うんだよ」

この言葉を新人に言う先輩は介護、営業だけに限らずどの業界にもいるのだろう。

この言葉は新人に何を伝えたいのか?

「今は足元を見ろ」だろうか。

実は違う。この言葉が伝えたいのは、

「君が理想を持ち込んだら私の仕事が変わってしまう、それはやめてくれ」

または、

「私が知らない知識の話はしないでくれ」

と新人に言っているのだ。

自分が勉強したくない、自分の仕事を変えたくないから一生懸命新人に「学ぶことは必要ない」と刷り込んでいるのだ。

このタイプの職員の共通点は、理想の仕事を聞くと、顧客の満足ではなく「のんびり仕事をしたい」という「自分」の理想を言うことと、研修など通常の業務以外のイベントを嫌がること。普段「自分が若いころは」と新人に熱弁をふるう割にそういう時は「自分より若い人たちにやらせて」と言う。俗にいう隠居型職員だ。

そもそも顧客の要望を叶えようとしたらのんびりな仕事になるわけがない。

似たような職員が「理想と現実は違う」と言ってきたらそれは洗脳しようとしてる合図だと思って差し支えない。

私もそうだが、どうもいろんな経験を積んでいくと自分へのデメリットを先に考えて足踏みをしてしまうことがある。しまいにその足踏みに疲れて結局トライしないで終わることもあったりする。「石橋を叩いて渡る」ということわざがあるが、「石橋を叩き過ぎてぶっ壊す」状態だ。

誰でも変化することは怖い、覚悟も労力も必要だ。でも変化せずに時代において行かれる方がもっと怖い。停滞は衰退なのだ。

いろんな職業で今は「理想と現実は違う」事が起きているかもしれない、でもそのギャップを埋められる権利はいつも自分たちに委ねられている。違いは、やるか、やらないか、だけなのだ。じゃあいつやるか、ってね。