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紙の効果 ≪施設長 樋口≫

以前にもブログにボードゲームの事を書いた記憶があるのですが、ボードゲームといえばすごろく、将棋、人生ゲームやオセロなどを筆頭に、会社経営や政治、経済や災害時対応、感染症対応のボードゲームまであったりします。一人でできるモノもあり、休みの日に一人で考えて触れて悩むのが最近の樋口の流行りです。

デジタルが生活の中心になった今、私たちは一日の多くを光る四角い画面と一緒に過ごしています。

通勤中も、食事の合間も、寝る直前までSNSや動画をチェックし、朝起きた瞬間には天気と通知の確認。ここまでくると、スマホやパソコンはもう手放す気になれません。

それでも、秋になると「読書の秋」や「芸術の秋」と言われるように、幕張メッセでは漫画やボードゲームの祭典が大盛況。デジタル全盛の時代に、なぜわざわざ紙の本やアナログゲームを手に取る人がこれほど多いのでしょうか。

 

実は最近、紙の本やノート、ボードゲームといったアナログ媒体が、研究の世界でも改めて評価されてきています。
たとえば、2000年から2022年までの研究をまとめたメタ分析(いくつかの研究結果を組み合わせてさらに分析する方法)では、「紙で読むほうが文章理解力が高い」という傾向が報告されています。ページの位置、余白、紙のにおい、手触り──こうした物理的な情報が、記憶を立体的に支えてくれるんですね。紙の本はただの物体ではなく、すでに「記憶サポートアイテム」だったわけです。

なんとこの効果には「スクリーン劣勢効果」という名前までついています。


しかも紙で読む人は、普段からノートやメモを手書きしている傾向が強いという報告も。書くことで理解が深まり、それが読解力にもつながる。小学生のころ、しつこいくらいやらされた漢字の書き取り、あれです。(ちなみに私は、送り仮名だけ先に書いてから漢字を埋めるという小賢しい手法を使っていました。)

もちろん、タブレットやスマホが便利なのは間違いありません。調べ物なんて、もはやデジタルが圧勝です。でも研究の結果を見ていると、紙には紙の強さ、良さがあるとわかります。

「紙は古い・デジタルは新しい」という分け方ではなく、それぞれの役割が洗練されてきたようにも感じますね。

ときには紙の本を開いてゆっくり読む。アナログのボードゲームに没頭してみる。スマホで調べたことを、あえて紙の手帳に書き留めてみる。そんな小さなアナログ時間が、案外、心にも頭にもやさしく効いてくるのかもしれません。

紙は所有欲を満たしてくれて、充電もいらないし、サービス終了もしない。手元に残り、思い出にも残ります。
先週見たYouTubeチャンネルより、バズってた動画より、何年も前に見たワンピースや鬼滅の刃など、紙の漫画や本に心動かされた記憶が残っている人が多いのには理由があるようですね。


FAX
の存在や行政の紙の申請書にはいまだに首をかしげつつも(笑)、紙から学べることや得られるモノは、どうやらなくなりそうにありません。